胆嚢がん ⇒ 症状が出難く、発見が難しい!

胆嚢がん症状が現れた時点では進行がんであることが多く、
がんの悪性度が高く、進行も速いために、早期での診断と治療が
重要になります。

最近の画像診断や外科手術の技術の進歩により、治療成績は向上
していますが、胃がんや大腸がんと比べると、まだまだ不十分です。
胆嚢がんの他に、肝臓外の胆管に発生したがんを胆管がん、肝臓内の
胆管に発生したがんを肝内胆管(かんないたんかん)がんといいます。

日本では、人口の高齢化とともに胆嚢・胆管がんは増加の傾向にあります。

がんができる原因として、胆嚢がんの約60%に胆石が合併している
ことから、胆石による胆嚢粘膜への機械的刺激が考えられてきました。
しかし、胆石に胆嚢がんが合併する率は、胆石手術例の1~1・8%程度
にすぎないので、胆石そのものよりも胆汁の変化や胆嚢の炎症が原因
ではないかと考えられています。
胆嚢がんは女性に多く胆管がんは男性にやや多いとされています
70代に最も多くみられることから、加齢も危険因子になるようです。



国立病院機構 大阪医療センター
http://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/tannos.html より引用



症状として

がんが小さい時には、特徴的な症状はありません。
胆石や胆嚢炎を合併している胆嚢がんでは、発熱や上腹部痛などの
症状が出ることがあります。
がんが大きくなってくると、右の肋骨の下に鈍い痛みがあったり、胆嚢を
塊(腫瘤(しゅりゅう))として触れることがあり、食欲不振、体重減少などの
症状も出現します。


治療として

胆嚢癌の治療の基本は手術療法で、手術適応のないⅣ期の症例に対して
全身状態を考慮した上で化学療法を行います。
また症状を緩和する対症療法として黄疸軽減のためのドレナージ(胆嚢や
胆管に管を入れて黄疸の原因である胆汁を体外に出す)やステント留置
(癌組織のため細くなっている総胆管を広げて筒状の人工胆管を入れる)、
薬剤による疼痛コントロールなどを行います。


手術後の生存率は

Ⅰ期:切除後5年生存率 90%以上
Ⅱ期:切除後5年生存率 35~45%
Ⅲ期:切除後5年生存率 15~20%
Ⅳ期:切除後5年生存率 5~7%
Ⅰ期は生存率は高いが、Ⅱ期からは低くなります。


胆嚢癌は症状が出にくく、発見が難しい癌の一つです。
40才を越えたら、人間ドックや健診などで、年に一回の
腹部超音波検査による定期検診を心がけるとよいでしょう。
また胆石症、胆嚢ポリープのある方はかかりつけ医での
定期的な経過観察と必要時の治療を受けることをお勧めします。