胆管がん ⇒ 治療困難、術後の生存率低い!

胆管がん症状が現れた時点では進行がんであることが多く、
がんの悪性度が高く、進行も速いために、早期での診断と治療が
重要になります。

胆管がんは、肝臓外の胆管にできるがんです。管がんの他に、
胆嚢に発生したがんを胆嚢がん、肝臓内の胆管に発生したがんを
肝内胆管(かんないたんかん)がんといいます。
最近の画像診断や外科手術の技術の進歩により、治療成績は向上
していますが、胃がんや大腸がんと比べると、まだまだ不十分です。

胆管は乳頭部で膵管に合流しますが、この合流に異常がある場合
(膵管胆管合流異常)には、膵液が胆道内へ逆流して、胆嚢がんや
胆管がんの原因になることが知られています。
胆管がんは男性にやや多く胆嚢がんは女性に多いとされています。
70代に最も多くみられることから、加齢も危険因子になります。


国立病院機構 大阪医療センター
http://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/tannos.html より引用



発生部位により次のように細分類されます。
肝門部胆管癌 - 左右肝管合流部付近に発生した癌。
上部胆管癌   - 肝管合流部から膵上縁までの胆管の上半分に発生した癌。
中部胆管癌     - 肝管合流部から膵上縁までの胆管の下半分に発生した癌。
下部胆管癌     - 膵内胆管に発生した癌。

症状としては食欲不振、全身倦怠感腹痛、黄疸などが主な症状です。
検診で肝機能障害を指摘され発見されることもあるそうです。


治療としては

胆管癌に対する根治的な治療法は外科手術となります。
癌が胆管周囲に限局しており、切除により根治が見込める場合は
原則として手術が選択されます。
主要な動脈への浸潤や遠隔臓器への転移があり切除による根治が
見込めない場合は全身化学療法もしくは放射線療法が選択されます。

強い黄疸が見られる場合、それを軽減するためにドレナージが行われます
方法としては、内視鏡的にアプローチする内視鏡的胆道ドレナージ(ECP)と
経皮的にアプローチする経皮経肝的胆道ドレナージ(PTCD)、経皮経肝的
胆嚢ドレナージ(PTGBD)があります。
これらは基本的に対症療法であり、これで黄疸を軽減した後に手術などの
他の療法で根治を図ります。


手術後の生存率は

胆管癌治療が困難ながん一つです。
治癒切除がなされた場合の5年生存率は30~50%程度です。
切除不能な進行胆道癌においては5年生存はほぼ皆無とのことです。


黄疸がでた場合放置しておくと、肝臓や腎臓に重大な障害をもたらし、
胆道に感染を起こしている場合は死亡することもあります。
黄疸や寒気を伴う発熱に気づいたら、すみやかに内科か外科を受診して、
検査を受ける必要があります。
明らかな症状がない場合でも、高齢者で胆石がある人は定期的な検査
受けることをお勧めすます。