凍傷 ⇒ ひどくなると肉が削げます

凍傷は、皮膚に寒冷が直接作用したときに、組織が凍結することに
よって生じる傷害です。極度の低温はもちろん0℃を少し下回る程度
の温度でも長時間さらされると生じます。
多くは、厳寒下、強風また高冷地で受傷するそうです。
例として、登山中の遭難、寒冷地での漁業遭難などの体の全体的な
広範囲凍傷。 冬季スポーツ時スキー靴等の不適合などによる足
指の先端の凍傷。 寒冷地の学童の耳、手、幼児の頬などの小範囲
のものなどです。

凍傷を受けた部位は蒼白で、感覚はありません受傷部を復温すると
まず知覚が回復してきます。それに伴って刺すような痛みや灼熱感を
じるようになります。その後充血し、はれてきます

傷害される深度により下記のように分類されます。

 
第1度 ⇒ 表皮の凍傷(紅斑性凍傷)
       発赤、腫脹、痒み感、加熱後灼熱感、多くは数日以内に治癒。
第2度 ⇒ 真皮に及ぶ凍傷(水疱性凍傷)
       紫紅色、浮腫、水疱、加温後充血、多くは3週間ほどで治癒。
第3度 ⇒ 皮下組織までの凍傷(壊死性凍傷)
       暗黒色、壊死、潰瘍、感覚脱出、上皮化は期待できない。
       皮膚移植が必要。   
第4度 ⇒ 骨、筋までの凍傷
       より深く広範な壊死、後にミイラ化して分異線に沿って脱落。
       切断術が必要。

私もひどい凍傷になったことがあります。中学生のころスピードスケートを 
すべってて、足が冷たくてどうしようもなくなりました。外は夜で寒く靴ひも
をかなりきつくしめてたせいで、血のめぐりも悪かったのでしょう。
足の小指でした。 だんだん変色してきて、何日か経つと茶色になり先が
かたくなっていました。そのうち、茶色くかたくなってた部分が、ポロリと
とれました。指の先は凹んでしまい肉が削げたようになってしまいました。
何ヶ月かすると 元に戻ってました。

治療方法 
基本的な治療法として、 凍傷の部分を、40~42度の温湯で15~30分
ほど温めます。水疱のできる第2度以上の凍傷を負ってしまったら
とにかく 皮膚科を受診したほうがよいです。

1)急速融解法
患部が凍結状態にある場合、最初にすべき治療は、40~42℃の
湯内に入れて、急速に凍結を解除することです。徐々に温めるより
急速に温めたほうが、組織中の氷の結晶が速やかに溶け、血管が
拡張して回復を促し、凍結組織の損傷を最小限にくい止めることが
できます。融解中は、激しい疼痛を伴います。

(2)神経療法
神経をブロックすることで、血管拡張を促し、回復を促進します。
「硬膜外ブロック」という方法と「交感神経節ブロック」という方法が
あります。前者は、疼痛除去の除去も可能であり、無痛下の
急速融解が可能となります。

(3)血液粘稠度低下の改善療法
膠質輸液やヘパリンの静脈内持続投与により、血液粘稠度の低下
を改善し、循環の状態を良好にします。

(4)血管拡張療法
 血管を拡張させる薬剤の使用により、血管の拡張を促します。

(5)局所療法
患部の挙上と安静により、浮腫の軽減をはかります。水疱は、感染の
症状が無い限り、破らず維持します。軟膏等の創処置により、感染防止
に努めます。壊死部との境界が明瞭になった後は、壊死部の除去を行
います。必要に応じて、植皮や皮弁での再建を行います。