食道がん 桑田圭祐、鈴木宗男も発症 ⇒ 結構たちの悪いがん!

食道がん、日本では約半数が胸の中の食道の真ん中から、
次に1/4が食道の下1/3に発症します。

最近では、元代議士の鈴木宗男氏と音楽家の桑田圭祐氏が
発症しその名を高めています。

食道がんは食道の内面をおおっている粘膜の表面にある上皮
から発症します。

悪性となる細胞の種類で分類すると、扁平上皮細胞がん腺がん
2つが代表的なものとなります。
扁平上皮細胞がんとは食道の内側の平坦で薄い扁平上皮細胞に
発生します。食道の上部から中央に頻繁に発生し、類表皮がんとも
呼ばれています。
腺がん粘液などの体液を産生する腺細胞中に発生するもので、
主に胃の近くに発生します.


食道の上皮は扁平上皮でできているので、食道がんの93%
が扁平上皮癌となっています。
食道がんがん全体の4%前後を占め、25人中1人がこのがんです。
50歳代以降は加齢とともに急激に増加し、60歳代で更に増加傾向に
あります。 男女比は3:1で男性に多いがんです

食道がん、胃癌、大腸癌を含む消化器の癌の中では予後は極めて
悪い がんです
これはリンパ節転移が多いことと、食道は他の消化器臓器と異なり
漿膜(外膜)を有していないため、比較的周囲に浸潤しやすいことが
原因と考えられます。


食道がんの原因としては、飲酒と喫煙が関係していますので、両方に
当てはまる方はリスクが高いことを意識してください。また、熱い物を
そのまま飲み込むことも、罹患率を高くする考えられています。


食道がんの症状としては、初期はほとんど自覚症状はないのですが
次第にあらわれてくるのは、食べ物を飲みこんだときに生ずるチクチク
した感じや、しみるような感覚の継続的な違和感です。
普段でも風邪や炎症があるときは同様な感覚はある場合も経験あると
思いますが、食道がんの場合継続的な慢性的な痛みと違和感が特徴
となります。
しかし、時には食道がんが進行すると同時に違和感がなくなりそのまま
重度ながんになることもあります。
そうなると食事の時にのどにつまるようなつっかえるような感じが起こり
それがより強く感じるようになります。
やがてそれがストレスになって食欲が落ちて体重が減少し始めます。


食道がんの治療は、症状の進行度や体力、患者さんの希望によって
治療方法を決めますが、基本的な選択肢としては手術、化学療法、
放射線療法、内視鏡治療があります。

内視鏡治療は早期の食道がんに用いるもので、予後の開腹が早いこと
が特徴です。進行した場合には適用できませんので、初期症状の場合に
しか使えず、進行してしまった場合には使えません。

手術はリンパ節も含めて切除することができ、ある程度進行している場合
にも適用できます。ただし、開胸や開腹を伴う大掛かりなものになってしまい、
身体に与える負担は小さくありません。術後の痛みや入院期間も長く、内視鏡
による切除と比べると大変な方法と言えるでしょう。

放射線療法は通常、週に5回のペースで、6週間から7週間に渡って行われます。
入院を伴うことが多く、手術と異なり身体機能を温存することができるメリット
があります。食道がんの治療としても有望な方法で、増加傾向にあります。

化学療法は抗がん剤を用いる治療法で、シスプラチンやフルオロウラシルが
主に使われています。残念ながら、化学療法を単独で用いるだけで完治させる
ことはできず、他の方法との併用によって食道がんの克服を目指すことになります。


予後の生存率として、食道癌全体での5年生存率は、1970年には4%で
あったが現在では14%ほどに改善しています。
アメリカでの成績ではありますが、手術を行った場合の5年生存率は、0期で
95%以上、I期で50-80%、IIA期で30-40%、IIB期で10-30%、III期で10-15%で、
IV期は「転移あり」を意味すますが、生存期間中央値が1年以下となっています。