アルコール依存症⇒恐ろしい病気のひとつです。

アルコール依存症とは、薬物依存症の一種で、飲酒などアルコール
(特にエタノールの摂取(以下「飲酒」とする)によって得られる精神的
肉体的な薬理作用に強く囚われ自らの意思で飲酒行動をコントロール
できなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返す精神疾患です。
そのためにアルコールを過剰に飲み、自分自身で調節がつかなくなって
しまい、患者は、アルコールによって自らの身体を壊してしまうのを始め、
家族に迷惑をかけたり、様々な事件や事故・問題を引き起こしたりして
社会的・人間的信用を失ったりすることがあります
アルコール依存症は、意志が弱いとか道徳感が低いからとか、家庭環境が
悪いとか社会的問題で生じるのではありません。
アルコール依存症の概念について一般社会においては多くの誤ったイメージ
がまかり通っている。
大量飲酒や常習飲酒者がアルコール依存者であると思い込まれがちです。
アルコール依存症は飲酒量や飲酒の仕方によって決定づけられるもの
ではありません。

アルコール依存の一般的な診断 
①耐性増加
  飲む量を増やしていかないと酔わなくなるなどがチェックポイント
 ②アルコ-ルに対する精神依存
  家庭や職場で隠れてでも飲酒するなどがチェックポイント
 ③アルコ-ルに対する身体依存
  アルコールを急に断ったり減量した時、手指のふるえ、発汗、動悸
  、不眠などがチェックポイント
 ④家庭や社会での問題飲酒
 上記の4項目を認めた場合アルコール依存症と診断されます。

調節のきかない飲酒行動は、現在の医学では治すことはできないようです。
何ヶ月間、何年間もアルコールを断っていても、再飲酒によって元の調節の
きかない飲酒状態にもどってしまいます。このように断酒を続けていても
些細なきっかけで再飲酒しやすく、元にもどりやすいのが特徴です。
悪循環のサイクルが形成してしまうと,自力ではほとんど断酒することが
不可能となります。
過剰な飲酒行動がアルコール依存症という病気のために生じていると
気づかない場合、自分自身の飲酒行為やそれによって生じたさまざまな
問題を他人の責任にしたりするようになり、その結果、わがままで
自己中心的な他罰的性格傾向が強まります。
アルコール依存症は病気ですから治療が必要です。治療には
専門の医療機関への通院と自助グループへの参加という方法により
断酒することが不可欠です。
治療目標は、断酒を継続し、アルコール依存症から回復することです
いったん形成されたアルコール依存症の体質はもとにもどりませんから、
アルコール依存症からの回復とは、アルコールなしで生きていくことを
学ぶことです。
アルコール依存症も、他のすべての病気と同様に、早期に治療を
始めればそれだけ回復するのが容易になります。しかし、現実には、
アルコール依存症という病気に対する誤解や偏見、自分自身が病識を
持ちにくいという特徴から、病気がかなり進行して、家庭や社会で問題が
生じるようになってから医療機関を受診する人がほとんどです。