脳腫瘍・動脈瘤 ⇒ 脳ドックで早期発見

病気を探し出すために、体のさまざまな部分を検査する健康診断や
人間ドックがあります。
しかし、昔は人間の最も重要な臓器の一つである脳はほとんど対象とは
されていませんでした。
脳の病気がないのならいいのでしょうが、ラクナ梗塞を含む脳梗塞
脳腫瘍くも幕下出血原因となる脳動脈瘤など、生命にかかわる
病気は少なくありませんむしろ多いといっても過言ではないでしょう。

そこで、20年ほど前から脳の状態を定期的に調べ、病気やその前兆と
なる異常がないか確かめる脳ドックが始まったのです

当初は脳動脈瘤の発見が主な目的でしたが、機器の進歩や診断法の
改良が進み、脳腫瘍アルツハイマー型認知症の前兆である海馬の
委縮なども対象になりました。

検査は、頭蓋骨に守られた脳の中を調べるために CT ⇒ コンピューター
断層撮影装MRI ⇒ 磁気共鳴画像診断装置を使って脳の血管の形
などを読み取ります。
もし治療が必要なら、血管の中に細い管を入れてこぶ状に膨れ上がった
血管の内部にコイルを詰め込んで破裂しなくしたり、頭蓋骨に穴を開け
て腫瘍を切除したりします。

検査も治療も大掛かりになりがちですが、その価値はあるといえます。
例えば、くも幕下出血は脳卒中の中でも特に怖い病気で、患者の約3割が
ほぼ即死。治療が間に合っても3割の患者は肢体麻痺など重い障害
残ります。
また、10時間以上かかる手術も珍しくないため、治療にかかる費用も
かさみ、後遺障害が残れば その後の介護もかかせません。

一方、くも幕下出血の原因となる動脈瘤を早期に発見して治療できれば、
ほとんど助かり、後遺症もの残りません

他の病気と同様に早期発見が大切なので、病気のリスクが高くなる
40歳以上の人は脳ドックを定期的に受けることが大事です。