中咽頭がん・下咽頭がん⇒初期は自覚症状が無いそうです。

咽頭がんは、その出来る部位により、上咽頭がん、中咽頭がん
下咽頭がん あります。
咽頭は、鼻から口腔へつながった、その下の部分にあり
更にその下は喉頭、食道へとつながります。
咽頭の下方部分 食道に近いのが下咽頭上方部分 口腔に近い
のが上咽頭、その中間に位置するのが中咽頭となります。

中咽頭がん・下咽頭がんについて
中咽頭がんは、年間1,000~2,000人程度に発症する比較的まれな
癌だそうです。 初期症状は、食物を飲み込むときの異和感や、 
しみるといった感じなどに現れ、進行すると、のどの痛みや飲み込みにくさや、
話しにくいといった症状がだんだん強くなってくるそうです。さらに進行すると、
開口障害(口が開けられない)、嚥下障害、 呼吸困難、激痛、出血といった
命にかかわる症状が現れてくるとのことです。
注意すべきなのは、中咽頭がんそのものによる症状がほとんどない場合
もあることです。 頸部へ転移したリンパ節のはれが、初発症状となる
こともあり、下咽頭がんの初期にはほとんど自覚症状がないそうです。
そのため、下咽頭がんが見つかったときには、進行がんであることが多く
症状としては、食べ物を飲み込む時の異物感があり、潰瘍型の腫瘍だと、
焼け付くような痛みを感じることがあるそうです。
また、がんが進行してくると、食物を飲み込むと、耳の奥に鋭い痛みを感じる
といった中耳炎のような症状が起こり、風邪でもないのに声がれを起こす
というのも下咽頭がんの特徴だそうです。
下咽頭がんも頸部のリンパ節にすぐに転移しやすく、リンパ節が腫脹
してきます。

検査と診断として
①中咽頭がん
 直接観察ができるので視診と触診が重要です。
 CT、MRIもがんの 範囲や リンパ節転移を
 診断するのに有用です。
②下咽頭がん
 直接肉眼的に見ることはできないので、内視鏡検査
 による観察が 必要です。 そのほかに食道造影検査、 
 CT、MRIなどを行います。
 食道がんとの 重複がんを調べるためには、上部消化管
 ファイバー スコープ(内視鏡)検査が 必要です。

治療としては
①中咽頭がん
 期や期のがんでは放射線治療となります。
 外照射では治療後の 唾液腺の分泌障害による
 口腔乾燥症が問題となるので、術前照射後切除術や
 組織内照射により唾液腺への線量を減少させる
 治療法などがあります。
 一方、期、期の進行がんでは手術治療になり、
 その場合には、再建手術も必要になります。
 軟口蓋を大きく切除したり、舌根部を 大きく切除した
 場合には嚥下機能障害が術後に生じる場合があるため、
 嚥下障害に対する手術が必要になります。
 また舌根がんが下方に 進行している場合には、喉頭も
 合併切除します。
②下咽頭がん
 手術治療が第一選択となります。初診時にすでに進行がんが
 多いので、 咽頭喉頭食道摘出術という下咽頭とともに喉頭を
 摘出する手術を行い、 空腸などを用いた遊離皮弁や
 大胸筋皮弁などで下咽頭を再建します。
 その場合、喉頭がんと同様に喉頭も全摘するので、
 永久気管孔と なり 音声機能を失います。
 最近では、限られた部分の下咽頭がんでは喉頭を温存した
 手術方法も あります。また早期がんであれば、放射線治療で
 治癒します。

定期健診や人間ドッグに通って、自己の健康チェックを
行うよう心掛けることにより、万が一 発症した場合でも
早期発見できると思います。
咽頭がんが疑われたり、咽頭がんと診断された場合には、
がん専門施設や頭頸部がんの専門医のいる病院を紹介
してもらい、受診し治療を受けるとよいと思います。