子宮頸がん ⇒ ウイルス感染 3つの型が原因!

子宮頸がん(しきゅうけいがん)は、子宮頸部と呼ばれる子宮の出口より
発生する がんで、子宮がんの多くに該当します。

婦人科のがんで最も一般的な子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がん
(子宮内膜がん)があります。
子宮頸がんは、この外子宮口付近に発生することが多いそうです。
普通の婦人科の診察でこの部分を観察したり、検査すべき細胞や組織を
採取することが可能です。したがって、早期発見が容易なわけです。

子宮頸がんは、ヒトパローマウイルス(HPV)感染が原因になりますが、
ほとんどは、HPVのうち3つの型が原因になっていると、スペインのカタラン
腫瘍研究所が発表しました。

HPVには少なくとも118種類あることが分かっているそうですが、同研究所の
博士らは、欧州、北米、中南米、アフリカ、アジア、オセアニアの38カ国の
医療施設から、子宮頸がんの診断を受けた計1万585人の組織サンプルを
送ってもらい分析しました。
検出されたHPVで圧倒的に多かったのは16型、18型、45型の順でした。

子宮頸がん世界の女性の がん発症数第2位で、2010年の死者数
約32万8000人とされています。
同博士らは、「子宮頸がん検査はHPVの16、18、45型感染に的を絞るべきだ
と指摘いています。

初期の子宮頸がんでは全く症状がないのが普通なのですが、婦人科の
症状がなくても、20歳を過ぎたら、2年に1回子宮がんの検診を受けることが
勧められています。

がんが少し進行するとはじめの症状としては、月経でない時の出血、性行為の
際の出血やふだんと違うおりものが増えたりします
他に月経の量が増えたり長引いたりすることもあるそうです。

病期(ステージ)は0期からI期、Ia期(Ia1期、Ia2期)、Ib期(b1期、Ib2期)、

II期(IIa期、IIb期)、III期(IIIa期、IIIb期)、IV期(IVa期、IVb期)

まであります。


子宮頸がんには、外科療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法の
3つの治療法があります。

1)外科療法

 

(1)早期がんに対する治療

・凍結療法:がん細胞を凍らせて殺します。
・高周波療法:高周波を用いて電磁波の熱でがん細胞を殺します。
・レーザー治療:レーザー光線を用いがんを殺します。

 

(2)手術治療

外科手術は最も一般的で、医師は以下の術式のひとつを用いてがんを
とり除きます。 以下の手術法があります。
 
・円錐切除術
・単純子宮全摘出術
・広汎子宮全摘出術
・骨盤内臓全摘術

 

2)放射線療法

放射線治療にはがん細胞を殺し、腫瘍を縮小するためにX線や
高エネルギー線が用いられます。
放射線は体外から放射線を照射する外照射か、がん細胞の認められる
領域に、放射線をだし治療する腔内照射とがあります。
放射線単独で治療する場合と、手術と併用して治療する場合があります。

 

3)化学療法

化学療法はがん細胞を殺すための抗がん剤を使用します。
薬剤は経口的に投与されたり血管または筋肉注射として投与されます。
抗がん剤は血流に入り全身をめぐり、子宮頸部を越えて拡がった
がん細胞を殺すので全身療法と呼ばれています。


1997年から1999年のデータによる、5年相対生存率

Ⅰ期 ⇒ 90%以上、 Ⅱ期 ⇒ 約70%、 
Ⅲ期 ⇒ 約50%、   Ⅳ期 ⇒ 20%弱      となっています。