一過性虚血発作 ⇒ 脳梗塞のあきらかな前触れです!

一過性脳虚血発作(TIA)は、脳梗塞の本格的な発作が起きる前に
短時間で消える発作です。
症状は早ければ数分ですぐ回復するため、見逃がしたり軽視したり
しがちです。
この場合、いずれ大きな梗塞を起こすと思って間違いなく、すぐに
専門医のいる病院で受診した方がよいでしょう。

よく知られる脳梗塞は、動脈硬化で脳の血管が狭くなったり、血の
塊(血栓)が血管に詰まったりして脳に酸素や栄養が送れなくなり、
脳細胞が障害を受ける病気です。


脳の組織が部分的に壊死(えし)することによって次のような症状
突然表れます。

①片側の手足に力が入らない、動かせない。
②体の片側がしびれる、感覚がない。
③回転するような目まいを感じる、千鳥足になる。
④ろれつが回らない、言葉がでない。
⑤視野の半分が欠ける、片方の目が見えない。

TIAも脳梗塞と同じような症状が表れます。
TIA頸(けい)動脈にできた血栓が剝がれて流れ、脳血管に
詰まって起こることが多いと考えられています。
しかし、出来たばかりの小さな血栓は自然に溶けて血流が再開し、
脳細胞の機能もすぐに回復します。
症状は早ければ2~3分、長くても数十分で消えるそうです。
TIAの定義は、24時間以内に完全に消える脳梗塞の症状です。

TIAは紛れもなく脳梗塞の発作であり、症状が消えたからと言って
安心してはいけません。大発作が起きる前に、一時的に血流が
再開するだけとのことです。

脳梗塞はTIAが起こった直後に発症する危険性が高く、症状が
消えても「家族が帰ってきてから相談しよう」「あすにでも病院で
診てもらおう」などと悠長に構えず、すぐに救急車を呼ぶか病院
に駆けつけるべきだそうです

受診先脳外科や神経内科、最近は脳卒中内科などもあるそうです。
いつ、どのような状況でどんな症状がでてどれくらい続いたかなどを、
発作が起こったときの情報は治療の重要な手掛かりになるので、メモ
しておくとよいそうです。