O157食中毒に効果 ⇒ 腸内のビフィズス菌が出す酢酸

腸内に常に存在する善玉菌のビフィズス菌に、病原性大腸菌
O157の毒素による大腸下部の炎症を抑える効果があるのは、
ビフィズス菌が生み出す酢酸大腸粘膜の細胞を保護し、毒素の
侵入を防ぐため分かったそうです。
理化学研究所や東京大学、横浜市立大学のどの研究チームが
マウスの実験で解明し発表しました。

ビフィズス菌を含むヨーグルトや整腸剤を日常的に摂取し、腸内を
良い状態に保っていれば、O157食中毒による下痢や腹痛の予防
につながる可能性があるそうです。
ただ、腸内に定着するビフィズス菌の種類や量は個人差が大きいほか、
同菌の中でも大腸下部で酢酸生産に必要な果糖を取り込めるタイプ
でないと役に立たないとのことです。

ビフィズス菌は母乳で育った赤ちゃんの腸内に特に多く、1996年に
堺市で発生したO157の集団感染では、母乳栄養児の方が粉ミルク
などの人工栄養児より軽症だったとの調査結果があります。

研究チームは、人から採取したさまざまなビフィズス菌を無菌状態の
マウスに口から投与した上で、O157に感染させる実験を行い、便や
大腸粘膜を詳細に調べたところ、感染死を防げたビフィズス菌の場合は、
防げなかった菌株に比べ、酢酸の量が2倍近く多く、大腸粘膜上皮細胞
のエネルギー代謝や抗炎症作用に関係する遺伝子群の働きが2~3倍
強かった。

酢酸の生産にはブドウ糖か果糖が必要ですが、飲食物のブドウ糖は小腸
や大腸上部で吸収され、O157毒素による炎症が起きる大腸下部には
果糖しか残りません。
感染死を防げたビフィズス菌株には果糖を取り込む遺伝子が2種類あり、
防げなかった菌株にはなかったとのことです。